ウェルギリウス 『アエネーイス』:神話が語るヨーロッパ世界の原点
ウェルギリウス 『アエネーイス』神話が語るヨーロッパ世界の原点
小川正廣 著
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岩波書店
「永遠の平和」を求めたローマ建国の英雄を描くラテン文学最大の叙事詩から,未来へのまなざしを読む.
アエネーイス
本書『アエネーイス』は2部からなり、第1部は“書物の旅路”であり、第2部は“作品世界を読む”である。ご用とお急ぎのかたには第2部が原典のあらすじを伝えて楽しめるが、注目すべきは第1部のほうで、『アエネーイス』がどう誕生し、歴史の中でどう評価され、その現代的意味はなにか、という解明がみずみずしい。よく生きる哲学と他者との共生の政治学を求めたローマ世界を反映して、この叙事詩は時代を貫くエトスを含んでいる、と説いている。